朝もやの稲刈り後の田んぼ。手袋をはめながら走るさくらの横で送風機が回り、前髪が吹き飛ぶ。寝ていた球皮が波打ちながらふくらみ、気球のてっぺんのロープを任される。バーナーの炎で球皮が持ち上がり、ロープごと

朝もやの稲刈り後の田んぼ。手袋をはめながら走るさくらの横で送風機が回り、前髪が吹き飛ぶ。寝ていた球皮が波打ちながらふくらみ、気球のてっぺんのロープを任される。バーナーの炎で球皮が持ち上がり、ロープごと前へ引っぱられて、切り株の上に膝をつく。すぐ立ち上がって腰を落とし、起き上がる気球を受け止める。バスケットがごろんと起き、さくらはパイロットの合図で走り出す。 ふちをまたいで膝が引っかかり、引き入れられる。頭上で炎が噴いて首をすくめる。地面が離れ、ふちの革を握りしめて固まる。パイロットに手を取られ、レバーを引くと真上で「ゴーッ」。肩はすくむが、手は離さない。別の気球が横切り、気づけば自分からもう一度。三度目は言われる前に引いて、振り向くとパイロットと目が合って笑う。朝日の中、まだ上がり続けている。 友達が手持ちスマホで撮った観察型。1カット2秒前後、セリフ・字幕・BGMなし。画面に出るのは二人だけ。気球1機・ロープ1本・膝の土は最後まで残す。

@akiyoshisan1

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