秋の山の上の草地。頭上で翼が立ち上がり、ハーネスごと後ろへ引かれて半歩ずれる。踏み直したとたん、ヘルメットが目元までずり落ちて、片手で押し上げる。歩き出しが遅れて、後ろから背中を押されてつんのめる。小
秋の山の上の草地。頭上で翼が立ち上がり、ハーネスごと後ろへ引かれて半歩ずれる。踏み直したとたん、ヘルメットが目元までずり落ちて、片手で押し上げる。歩き出しが遅れて、後ろから背中を押されてつんのめる。小さかった歩幅がだんだん広がり、草を蹴る足が軽くなって、靴底が地面を離れる。もう浮いているのに、脚だけがまだ二、三歩走っている。 ライザーを握りしめたまま、座面に座りそこねて、二度目ですとんと収まる。毛先が頬にかかって首を振る。両手をそっと離し、オレンジのハンドルを渡される。右を強く引いて地平線が傾き、手を止める。手を添えてもらってもう一度ゆっくり引くと、眼下の川が横切っていく。着地では、今度は走る足がちゃんと地面をとらえる。しぼんだ翼が背中にかぶさって、笑いながら握手。 友達目線の手持ち。1カット2秒前後、セリフ・字幕・BGMなし。翼1枚・ハーネス2つ・ヘルメット2つは最後まで同じ数。さくらは常に前、インストラクターは常に後ろ。
@akiyoshisan