秋晴れの杉林。うなるチェーンソーの木くずが、透明なシールドの前を吹き抜ける。見上げると、梢ははるか上。教官が奥の二本の木のすき間を指さす。切り進めた刃が、急に重くなる。切れ目が閉じて、エンジンが止まる
秋晴れの杉林。うなるチェーンソーの木くずが、透明なシールドの前を吹き抜ける。見上げると、梢ははるか上。教官が奥の二本の木のすき間を指さす。切り進めた刃が、急に重くなる。切れ目が閉じて、エンジンが止まる。引いても抜けない。梢が揺れて、杉の葉が降ってくる。教官は笑って、黄色いくさびを一つ差し出す。切れ目に差し込み、斧を受け取る。 斧の背で、くさびの頭をまっすぐ打つ。かーん。くさびが沈み、切れ目が開いて、幹がみしっと鳴る。梢が奥へ傾く。教官に肩を引かれて、二人で下がる。大杉は奥のすき間へまっすぐ倒れ、地響きと土ぼこり。口を開けたまま固まって、笑い出す。倒れた幹は、二本の木のちょうど間に横たわっていた。空に穴が開き、光が落ちてくる。切り株の年輪に、そっと手のひら。 一緒に来た友達が手持ちで撮った記録。1カット2秒前後、セリフ・字幕・BGMなし。画面に出るのは二人だけ。大杉1本、チェーンソー1台、くさび1つ、斧1本。ヘルメット・イヤーマフ・服・道具は文字なしの無地。杉林の配置と道具の形は、人のいない参照画像で固定。
@akiyoshisan1