秋の昼、畳を上げた古民家の一室。障子窓の光が板の床に落ちる。頭に手ぬぐいを巻いたさくらが、柱2本のあいだの白い土壁に大ハンマーを振る。ボスッ。跳ね返されて、漆喰が少し欠けるだけ。しびれた手を振って苦笑
秋の昼、畳を上げた古民家の一室。障子窓の光が板の床に落ちる。頭に手ぬぐいを巻いたさくらが、柱2本のあいだの白い土壁に大ハンマーを振る。ボスッ。跳ね返されて、漆喰が少し欠けるだけ。しびれた手を振って苦笑い。白髪の棟梁がハンマーを受け取り、手を柄の端へ滑らせる振りを見せて、欠けの真ん中を指さす。握り直して、もう一度。ドスッ。ひびが走って、土の塊が床に落ちる。三発目でズボッと抜けて、小さな穴から光が一本、向こうの暗い部屋へ差し込む。 ハンマーを拾って、穴の縁を叩いて広げる。中から竹の格子がのぞく。棟梁が素手で格子を折り取る。腰を落として、大きく振りかぶって、最後の一撃。壁がごっそり崩れ落ちて、暗かった奥の間に昼の光がどっと流れ込む。床に四角い光が広がる。大穴から奥をのぞきこんで、目をまるくする。棟梁が手をたたく。二人で、大穴の前に並ぶ。 一緒に来た友達が、すぐそばから手持ちで撮った記録。1カット2秒前後、セリフ・字幕・BGMなし。画面に出るのは二人だけ。大ハンマーは1本、壊す壁は1面だけで、欠け→ひび→小さな穴→大穴の順に戻らない。人物は全部寄りで撮り、ハンマーが当たる瞬間は壁と腕だけの寄りで見せる。部屋・衣装・棟梁は参照画像、後半は前半の実際のコマを参照にして、棟梁も壁の状態もそのまま続けた。
@akiyoshisan1